「イヤイヤ期か」と思いながら子どもの面倒な行動をみていたら、考え方もマイナスだし、肉体面でも疲れてマイナスになり、何もいいことがありません。でも、「脳の急速成長期がきた」と思えば、頭の中がプラスになるし、そう捉えることで肉体的にもゆとりが生まれてくる気がします。

■夫とケンカするより2度や3度の里帰り

 個人的には、「ワンオペ育児」という言葉も好きではないです。もちろん、その言葉によって自分のおかれている状況を自覚し、改善しようと思える人もいるかもしれません。しかし、「ワンオペ育児」という言葉が免罪符となって、「そういう人がたくさんいるんだから、自分も(あるいは妻も)がんばるべき」と思ってしまう人たちがたくさんでてきてしまう気がします。サザエさんの家を思い出してください。あんな大家族の中でタラちゃんを育てているサザエさんは、どんなに育児がラクだろうかと思います。そんな「サザエ式育児」みたいな言葉も広がればいいなと思うのです。育児でイライラして夫とけんかになるくらいなら、生まれるときだけでなく、2度や3度の里帰りもありだと思います(もちろん、仕事を考えると難しくはなってきますが)。

 思考は言葉でなされるものですから、「言葉がもつ力」は思うより強いものです。世の中の流れの中で変わっていく言葉が、「イヤイヤ期」「ワンオペ育児」のようなマイナスを助長させるものでなく、マイナスを吹き飛ばしてプラスにしてくれるような、子どもがもっと育てやすくなって気分がラクになるものが、どんどん作られて広がればいいなと思います。

◯杉山奈津子(すぎやま・なつこ)1982年、静岡県生まれ。東京大学薬学部卒業後、うつによりしばらく実家で休養。厚生労働省管轄医療財団勤務を経て、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。1児の母。著書に『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』『偏差値29でも東大に合格できた! 「捨てる」記憶術』『「うつ」と上手につきあう本 少しずつ、ゆっくりと元気になるヒント』など

暮らしとモノ班 for promotion
【Amazonブラックフライデー】11月27日から先行セール開催。2024年の開催日程や目玉商品50選、お得なキャンペーンも紹介!