漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ハゲタカ」(テレビ朝日系 木曜21:00~)をウォッチした。
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どうした、綾野剛。思わず、そうつぶやいてしまうこのドラマ。なんせ綾野剛が、いきなりイキリ顔で吼(ほ)えまくるから。
大胆な企業買収を次々仕掛ける、外資系投資ファンドマネジャー・鷲津(綾野)。この社会派経済ストーリーは、2007年にもNHKで映像化された。
その時の鷲津役は、大森南朋。当時、まだあまりドラマに出ていなかった大森の、得体のしれない佇まいが役柄にぴったりでね。
ヒリヒリとした不穏な空気が流れる演出。なぜか画面がナナメだったり、NHKのやりたい放題的スタイリッシュな青い映像。
コレを再度ドラマ化することの、ハードルの高さよ。そこで綾野剛だ。
「我々はハゲタカだ。金と腐った企業の匂いは逃しません(眼鏡キラリ)」
そのうさんくさい顔、DV夫か、インテリヤクザにしか見えない。また、銀行の常務役の小林薫が、関西弁でがなり倒すんだ。
「謝ってすむことかーい、このボケがぁっ!」
気分は「ナニワ金融道」。企業が生き残るための重大な局面つーより、明日ソープランドに沈められそう。