

助成金の不正流用や試合での不公正な審判など次々と「疑惑」が浮上した日本ボクシング連盟。そのトップである山根明会長(78)のワンマン体制の下、「連盟を私物化している」と333人の日本ボクシング連盟の関係者が文部科学省などに告発状を提出したことが明らかになった。
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告発状には、12の問題点が記され、「今回の告発状に書ききれなかったものもあり、これからその数は増える」と告発者の一人は言う。
山根会長は告発事実のうち、2016年のリオデジャネイロ五輪代表、成松大介選手の240万円の助成金を他の選手にも振り分けるように命じたことについては、「私が3人で分けろと指示した」と本誌の取材に答えた。そして告発状については「あれ、全部ウソや!」と声を荒らげて否定した。
自身の進退については「なんでやめなアカンのや」と語気を強める。
問題発覚以来、沈黙していた山根会長は突然、テレビなどに出演して反論し始めた理由をこう語った。
「元暴力団のM組長が連盟の幹部に『山根に3日以内に辞めるように言え。そうしないと過去をばらす』と伝え、脅迫してきた。だから、立ち上がった。ワシは組員ではない」
名指しされた元暴力団組長Mさん(81)は、本誌にその経緯をこう語った。
「山根は若い時からワシの子分やった。組を結成してからは、組員。10年以上も組におった。3日以内に辞めろと人を通じて伝言したのは、トップの山根のせいでこれだけ多くの選手や指導者が疑問を感じ、迷惑している。何十年もワシの下にいた山根は弟分や。晩節を汚さんようにと、弟分を思って声をかけた。脅しやない」
告発者の一人、日本ボクシング連盟の元理事で山根会長の秘書役でもあった澤谷廣典氏もこう話す。
「山根会長は自身が暴力団員であったことを親しい人には隠すことなく『抗争のときは指揮役をやった』などとしゃべっていた。五輪競技でもあるボクシング連盟のトップがこんなことを公言していいのかと疑問に思ってました」
元暴力団組長以外にも山根会長との関係が話題になっている人物がいる。