放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、『にほんばし えいたろう』の小分け菓子について。
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過去の恋愛経験を赤裸々に語ったり、「実は用語やルールを知らないでやっていた」なる驚きの発言をしたりで、バラエティー番組で大うけなのが丸山桂里奈。ワールドカップ優勝、オリンピック銀メダル、そして国民栄誉賞も受賞した、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の元中心メンバーだ。
アスリート出身のタレントとしては大成功している一人だが、「サッカー解説の仕事がこない」のが悩みだとか。「PK」や「オフサイド」をよく理解せず、ピッチに立っていたというのだから、それは無理な話だろう(苦笑)。
そんな丸山さんがバラエティー番組に出演する際、共演者への楽屋挨拶に持参するのがプチプレゼントだ。
大半は大好きだという駄菓子セット。10種類ほどの懐かしい駄菓子をジップロックにギッシリ詰めて、手書きのメッセージを添える。
駄菓子でないときは、地方の仕事で手に入れた銘菓だったりすることもあれば、先日私は食パンを貰った。
楽屋挨拶だけでも「いいから」と、やんわり拒否する先輩タレントは少なくないが、丸山さんからの駄菓子は「もう、ほんとにいらないから」と大物芸人らに“笑い”にされている。
だが、若い女性タレントやアイドルの間に、この丸山桂里奈流“ご挨拶+プチ御菓子”が流行り始めているのも事実。
そこでよく見かけるようになったのが『にほんばし えいたろう』の小分け菓子の袋だ。
『にほんばし えいたろう』は、『あめや えいたろう』に続いて新たに作られた『榮太樓總本鋪』の別ブランド。江戸の庶民に親しまれた『榮太樓』と同じく、シンプルな中にも和の雰囲気と遊び心が感じられるパッケージに、おなじみの梅ぼ志飴やピーセン、スティックタイプのひとくち羊かん、野菜かりんとう、胡麻を飴で板状にした胡麻板などなどが入っている。
袋にはゴムがついているので、一度に食べきれなくても、そのゴムを巻いておけば、しばらくは湿気ないし、バラエティーに富んだ袋菓子は1種類でもいいし、組み合わせて2種類にすると、格上のギフトになる。
さらに、それらの袋菓子を専用ボックスに詰め合わせたモノは、“差し入れ”用に使えるのだ。
私はボックスを、某アイドルのコンサート取材で見かけたことがある。所属事務所が記者らへのお土産として用意していたのだ。
“老舗からの新提案”は、すっかり楽屋を飛び出して定着しつつある。
※週刊朝日 2018年6月29日号