「家政婦はかつて社長の代わりに会社の代表を務めたこともあるほど信頼されていた。家政婦は六本木で雇われママをしていた。カラオケの歌える店で女の子も2人ぐらいおり、客としてやってきた社長と出会い、同郷という縁で意気投合した。野崎さんのガレージに注射針を置いていった女性はかつて家政婦の店で働いていたと聞いた」(野崎氏の会社の元役員)
家政婦の周囲にはほかにも覚醒剤で逮捕された人物がいるという。野崎氏が摂取した覚醒剤の入手ルートが事件解明の鍵になることは間違いない。
二つ目の謎は野崎氏が当日飲んだビールだ──。
野崎氏の遺体解剖の結果、覚醒剤の成分が検出されたが、胃の中は空だったことが明らかになっている。つまり、家政婦が調理し、昼食に出した「しゃぶしゃぶ」には入っていなかったことになる。野崎氏の会社の元従業員によると、「社長は毎日、アサヒスーパードライ中瓶を1、2本飲んでいた」という。
こうした事実から野崎氏は覚醒剤入りのビールを飲まされたのではないかという疑惑が報道されたが、妻は「社長は冷蔵庫にストックしているビールを自分でいつも出して栓を開けて飲むので、ビールに混入していたとは思えない」と否定した。
妻によると、野崎氏は亡くなった5月24日の午後6時ごろ、食欲がないとお菓子を少し食べ、ビールを飲んだという。和歌山県警はビールに覚醒剤が混入されたとみて、野崎氏の会社から空き瓶2千本以上を押収したが、どうか。
三つ目の謎はかなり苦みのある覚醒剤をどうやって野崎氏は摂取したのか──。野崎氏の知人はこう答える。
「社長はもう高齢で2度も脳梗塞をやっているので、味覚も鈍い感じと従業員らは話していた。ビールに覚醒剤を混ぜて少々、苦くなっても飲んだ可能性はある。カプセルらしきものは体内から検出されていない」
四つ目の謎は享年13の愛犬イブちゃんの怪死だ。イブちゃんの容体がおかしくなったのは5月6日午前1~2時ごろで野崎氏と妻、家政婦は真夜中に、獣医師を探し車を飛ばし、連れていこうとしたが、その途中で死んだという。