■陰陽五行説にのっとった美しき宮廷料理
クジョルパンは、朝鮮王朝時代の宮廷料理。
「八つの具材を、小麦粉、卵、塩で作った皮で包んで食べます。具材は季節によって変わりますが、陰陽五行説に従って、必ず五つの色、五つの味を揃えないといけません」(料理を担当する全芳江さん)
皮に8種類の具材をすべて入れて包み、口中で味がひとつになることを楽しむ。味つけに唐辛子は使わない。
「王朝があった頃には、まだ辛い料理を好んで食べる習慣がなかったからです」
「松の実」東京都新宿区神楽坂4-2/営業時間:17:30~22:30(土祝は~22:00)/定休日:日曜 要予約
コース7020円の中の一品。写真は4人分
■韓国の伝統茶と夏の風物詩を楽しむ
韓国語教室を主宰する金賢稀さんは、生徒と伝統茶を飲みながら授業を進めている。そのお茶が好評だったので、日韓交流を図るサロンとして喫茶店も開いた。「お茶といっても茶葉だけでなく、果物や木の実などを使ったものが多いんです。韓国人はハチミツにつけて甘くしたものを好みます」(金さん)。オミジャチャ(630円)は朝鮮五味子の実を煎じたもので、肝臓や子宮、肺をいたわる。ミスカル・オレ(600円)は米や大豆など8種類の穀物の粉で作り、小腹が空いた時の食事代わりにも。他にも朝鮮人参、ナツメ、シナモンと干し柿などを用いた数々の伝統茶を楽しめる。奥はカキ氷のパッピンス(680円)。小豆とミスカルが入る正当派だ。
「韓流茶房」東京都新宿区百人町1-6-15 NKビル3F/営業時間:13:00~18:00L.O.(土は12:00~)/定休日:月曜
(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2018年6月22日号