サンムーン浅草橋店東京都台東区柳橋1-12-8 TAKビル2F/営業・11:30~14:30L.O.、17:00~23:00L.O.(日祝は~22:00L.O.)/休日・年末年始チェンバン麺1296円(税込み)(撮影/写真部・小原雄輝)
サンムーン浅草橋店
東京都台東区柳橋1-12-8 TAKビル2F/営業・11:30~14:30L.O.、17:00~23:00L.O.(日祝は~22:00L.O.)/休日・年末年始
チェンバン麺1296円(税込み)(撮影/写真部・小原雄輝)
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 米朝首脳会談で注目を集める朝鮮半島には、美味なる料理がたくさんある。焼き肉しか思い浮かばない方も、一口食べたら「コリア参った」と唸るに違いない!

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「サンムーン浅草橋店」の冷麺には驚いた。平べったい器に麺と豪華な具材が盛られている。チェンバン麺と呼ばれ、かつて王族のみが食べていた特別な冷麺だ。「平壌高麗ホテル」直伝の麺は、蕎麦粉とジャガイモのでんぷんを半々の割合で混ぜて打っている。牛、豚、鶏と3種の肉を野菜とともに2日かけて煮込んだスープは、クリアで上品な味わいだ。

 古の宮廷料理を供する「松の実」の名物は、クジョルパン。陰陽五行説に従い、五つの色と味の食材を皮に包んで食べる。また煎(ゾン)という料理は、韓国カボチャやナスなどの焼きものの盛り合わせだ。どちらも辛くない。

「唐辛子を使った料理を食べるようになったのは、ずいぶん後のこと。宮廷では使わなかったようです。実は唐辛子は、豊臣秀吉による出征の時に、日本人が持ち込んだとも言われているんですよ」(料理を担当する全芳江さん)

 食は文化。注目を集める二つの隣国のことを、食べ物を通じて深く知ることも重要だろう。

■平壌冷麺は蕎麦粉を用いる
 冷麺の本場、北朝鮮・平壌では、麺に蕎麦粉を使う。主にイモ類のでんぷんで作る北朝鮮・咸興(ハムン)式、小麦粉中心の韓国・釜山式と比べ色が濃く、なめらかでコシが強く歯切れが良い。

 チェンバン麺の麺は普通の冷麺と同じだが、深さ2cmほどの器を用い、豪華な盛り付けをする。かつて王族のみが食べていたという独特の供し方だ。

「サンムーン浅草橋店」東京都台東区柳橋1-12-8 TAKビル2F/営業時間:11:30~14:00L.O.、17:00~23:00L.O.(日祝は~22:00L.O.)/定休日:年末年始
チェンバン麺1296円(税込み。特記以外、以下同)

■牛を煮出した白濁スープの滋味がしみわたる
 牛のすじ肉や骨を煮出した白濁のユッス(肉汁)に、牛ほほ肉、春雨を入れ、ネギをのせたソルロンタン。塩やカクテキを加えることで、自分で味を調整して食べ進む。一口食べると、滋味あふれるスープが五臓六腑にしみわたっていく。

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