「ガラスの仮面」の作者の美内すずえさん
「ガラスの仮面」の作者の美内すずえさん
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最終号となった「別冊花とゆめ」の7月号
最終号となった「別冊花とゆめ」の7月号

「ガラスの仮面」「パタリロ!」「オトメン(乙男)」など多くの人気連載で親しまれてきた少女コミック誌「別冊花とゆめ」(白泉社)が、5月26日発売の7月号をもって休刊した。1977年の創刊以来、約40年の歴史に幕を下ろした。

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 30日には、「ごくせん」や「デカワンコ」などヒット作が多い「YOU」(集英社)が、11月号で休刊することが発表された。「月刊バーズ」(幻冬舎コミックス、旧「コミックバーガー」)も6月発売号での休刊がアナウンスされている。漫画雑誌の厳しい状況を象徴するような休刊ラッシュだ。

「別冊花とゆめ」編集長の岩切健太さんはこう言う。

「読者の皆様はもちろん、他誌の先生方や編集部の方など、皆さん異口同音に惜しんでくださいました。それだけ長い間愛されてきた雑誌であったのだと、あらためて認識いたしました」

 2000年代前半には10万部を超えていた同誌の発行部数も、近年は3万部台に落ち込んでいた。

「今後も読者の皆様へ作品をお届けするためには、ウェブコミックを中心とした新しい形態にいち早く切り替えるべきではないかと思い、決断しました」(岩切編集長)

 最終号では連載作品について、漫画アプリや新たに創刊されるウェブコミック誌などへの移籍が発表された。気になるのは不定期連載中の「ガラスの仮面」の移籍先がはっきりしないことだ。

 劇中劇「紅天女」の試演を控え、ストーリーも盛り上がっていきそうな気配だっただけに、ネットなどで移籍先が注目されていた。作者の美内すずえさんが26日に、<雑誌連載の方向性が決まれば、またお知らせします>とツイート。最後まで描き続けると宣言しており、読者を一安心させた。

「美内先生ともども、現在はコミックス50巻の発売に向け制作作業を続けています」(岩切編集長)

「YOU」や「月刊バーズ」の主な連載も別媒体で継続する方向だ。それぞれの作品が、新天地で新たなストーリーを紡いでいくのを見届けたい。(本誌・太田サトル)

週刊朝日  2018年6月15日号