スケールのある選手というものは、何段も一足飛びにハードルを越えていく。私が西武監督時代の松井、松坂がそうだった。当たるであろうと想定していた壁を簡単に突破していった。

 ゴールデンウィークから野球はいろいろな明るい話題が出て盛り上がっている。4月末には松坂が日本球界では12年ぶりの勝利を挙げた。キャンプで見た時には2~3カ月かかるかなと思ったが、4月中に初勝利とは恐れ入った。あれだけ肩の状態が悪かったのに、ここまで回復するなんて想像ができない。

 病院や治療院を40カ所以上回ったと聞く。球団から紹介された病院を2~3カ所回って、後はトレーニングに時間を割くといった選手が多いが、彼はトレーニングをある程度捨てて、全国を回った。その執念が実って本当に良かった。

 試合後に電話で「おめでとう」と大輔に言ったら「感覚をつかんだところとまだまだのところがある」と話していた。ベテランの奮闘に、清宮も好スタートを切って、また楽しみが増えた。

週刊朝日 2018年5月25日号

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