シアトル・マリナーズのイチロー(44)が今シーズンの選手登録を外れ、球団の会長付特別補佐に就くことが5月3日に発表された。会見で「最低でも50歳まで現役」とこれまでどおりの発言を繰り返していたイチローは、現在も選手たちと練習を行っているが、今年は試合でその姿を見る機会はなくなる。だったら日本のプロ野球でプレーすればいいじゃないか、と思うファンや球界関係者の声もある。
会見直後には、中日の西山和夫球団代表が「現役を諦めていないし、どういう契約になっているのか確かめたい」と発言するなど、中日は地元の英雄の動向を注視している。
また、イチローの出身地・愛知県豊山町ですし屋を営む堂脇豊さんは、長年、家族ぐるみでの交流が続き、イチローの後援会会長でもあった。堂脇さんは複雑な心境をこう吐露した。
「そりゃ彼のファンは皆、日本でプレーすることを願ってますよ。でも、われわれがどうこう言えることでもない。それにイチローくんも(チームを)動けないでしょうし」
そもそもマリナーズにはイチローを自由契約にせず、役職を付けてでも保有したかった理由がある。マリナーズは来シーズン、日本で開幕戦を開催するからだ。成功させるためにもイチローが必要なのだ。
契約上ではイチローは来シーズン以降、選手としての復帰の可能性が残されており、日本での開幕戦に出場するとなれば、ファンが歓喜するのは間違いない。
一方で、現実的にイチローがメジャーでプレーし続けるのは難しいのも事実。今シーズン、選手登録を外れたのは、他の外野手と比べて打撃成績が劣っていたから。来シーズンの開幕戦で選手として登録できても、開幕以降は再び今年と同じような立場になる可能性は高い。在阪スポーツ紙の記者は、イチローの日本復帰についてこう語る。