「結局、具体的に4月2日に誰と何を話したのか不明で支離滅裂です。野党は柳瀬氏が『首相案件』と言ったかどうかばかりにこだわっていますが、獣医学部新設はこの時点で事実上、加計学園に決まっており、絶対に失敗するな、というニュアンスのもっと踏み込んだ発言をしているはず」
柳瀬氏は15年8月に首相秘書官を退いた後、経産省トップ局の経済産業政策局長を経て、現在は審議官。6月の幹部人事では、普通であれば事務次官になるコースだ。だが、今回の答弁で風前の灯だとされる。
そうまでして、柳瀬氏が守ろうとしたのは何か。全経済産業労働組合副委員長の飯塚盛康氏が語る。
「経産省が官邸を牛耳った結果、森友・加計問題を起こしたばかりか、自分たちのやりたい施策ばかり進めてきました。社会保障費の削減や働き方改革など他省庁の縄張りまで踏み込んだため大変な恨みを買っている。いま安倍政権が倒れたら、財務省や文科省、厚労省などから報復を受けるのは必至だからです」
(今西憲之/本誌・亀井洋志)
※週刊朝日 2018年5月25日号