放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、「アーユル チェアー」について。
【写真】山田美保子さんオススメの椅子「アーユル チェアー」はこちら
* * *
「ここの社名入りのリリースが届いたら必ず読む」と多くのテレビ業界人に言わせてきた『トレイン』は、商品やイベントPRを手がけてきた知る人ぞ知る会社。
その『トレイン』が、シリコンストッパー付きのストッキング「ステイフィット」を大ヒットさせ、物販でも成功を収め、「さすが」と業界人を唸らせたのは18年前のことだった。
そんな同社が「アーユル チェアー」なる“坐骨で座る”姿勢矯正チェアを、イトーキ、コイズミファニテック、バルス(当時)の競合する3社と共同開発し、また業界をアッと言わせてから13年が経った。
当初は、受験生用や、学習机ならぬ学習イスという印象があり、実際、学習塾の中には全教室に採用しているところも。慶應義塾高校や宝塚音楽学校でも使用されているそうだ。
が、このイス、いわゆる“ギョーカイ”に多くの知人をもつ『トレイン』代表・長谷川康之氏自らがオフィスで使用しているため、来訪者が、その場で購入していくケースも多いのである。
たとえば「アーユル チェアー」初期の代表的ユーザー、布袋寅泰氏も、長谷川氏のオフィスを訪ねた際に座って、たいへん気に入り、ロンドンのレコーディングスタジオで使用しているそうだ。
以来、布袋氏は自身のインスタグラムで数回、「アーユル チェアー」を紹介するほど愛用。「その後、『他のスタジオでも使いたい』と言っていただき、6脚、お送りしました」(長谷川氏)というから、イギリスでのPR大使のような存在だ。
国内でも、収録や生放送でパーソナリティーが長時間、座りっぱなしとなるラジオ局では、「J−WAVE」が「アーユル チェアー」を積極的に採用していたり、「FMヨコハマ」で番組をもつ某文化人も放送中に使用。
ワイドショーやニュースショーの司会者や小説家でも「腰の手術をされたなど、腰痛に悩んでいる方には特に好評をいただいている」(同)とのことで、ギョーカイの愛用者がジワジワ増えている状態だ。
形状や色など、2005年に誕生した初期モデルからどんどん進化して、「姿勢が良くなる」座イス&座面シートタイプや、「美しい姿勢をつくる」スツールタイプ、「床座りをより快適にする」あぐらイスタイプなどが揃う。
その「あぐらイス」は、「お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺」(テレビ朝日系)に出演していた光琳寺の副住職、井上広法氏も愛用とのことで、タイプによってユーザーの職種も広がっている。
“座り仕事”の強い味方だ。
※週刊朝日 2018年5月18日号