佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)/1957年、福島県生まれ。東大卒業後、旧大蔵省に入省。2017年、森友学園問題で財務省理財局長として「記録は廃棄した」などと国会で答弁。同年7月に国税庁長官に就任するも、18年3月、決裁文書改ざん問題で辞任=3月27日、国会の証人喚問で「刑事訴追の恐れ」を連発して何度も証言を拒否した(撮影/朝日新聞社・岩下毅)(c)朝日新聞社
佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)/1957年、福島県生まれ。東大卒業後、旧大蔵省に入省。2017年、森友学園問題で財務省理財局長として「記録は廃棄した」などと国会で答弁。同年7月に国税庁長官に就任するも、18年3月、決裁文書改ざん問題で辞任=3月27日、国会の証人喚問で「刑事訴追の恐れ」を連発して何度も証言を拒否した(撮影/朝日新聞社・岩下毅)(c)朝日新聞社
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 3月27日、国会の証人喚問で「刑事訴追の恐れ」を連発して何度も証言を拒否した佐川宣寿前国税庁長官。ファッションデザイナーのドン小西氏がファッションチェックした。

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 あたしなんて、この格好見ただけで、勝負が見えたもんな。この人、証人喚問で、絶対ボロは出さないだろうって。何せこの背広が物語ってるよ。不自然なくらいカチンコチンで、身を守るためのヨロイみたい。どんな質問も、ちぎっては投げ、ちぎっては投げで切り抜けた、この人にぴったりだよ。

 そもそもが小柄だろ。うっかりすると、身を挺して組織を守るけなげな人に見えちゃうんだよね。でも、着ているものをよく見たら、同情は吹っ飛んだよ。スーツを見る限り、けなげどころか、相当のしたたか者だね。

 イージーオーダーの背広だろうが、肩幅を微妙に広めにしたり、絞り込んだウエストとサイドベンツでX型のシルエットを作ったり、おまけにラペルの幅が異常に広かったり。政治家はずいぶんオシャレになったけど、官僚は今もポリエステルのワイシャツにくたびれたスーツのイメージ。その世界では妙に小細工が多いデザインだよ。ま、そんな強気な人が、見返りなしでこんな思いをさせられるとは考えにくいが……。いやいや、あくまでファッションの話ですけどね。

(構成/福光恵)

週刊朝日 2018年4月13日号