気管支サーモプラスティ治療は、18年3月1日現在、115病院でおこなわれており、治療を受けた患者は508人にのぼる。18歳以上しか受けられないという制限があるが、発作を繰り返す重症の喘息患者にとっては希望の治療だ。だが、その一方でこんな例も──。

 関西在住の野瀬咲穂さん(仮名・30代)は、インターネットで知った気管支サーモプラスティ治療を受けたいと、実施機関の一つである国立病院機構東京病院を受診、同病院アレルギー科医長の大島信治医師の診察を受けた。

 しかし本人の希望はかなわず、治療は先送りになった。大島医師はその理由をこう話す。

「野瀬さんは吸入ステロイド薬などを使った基本治療が正しくおこなわれておらず、それが原因で発作が起こっていたのです」

 野瀬さんは、しばらく大島医師の元で基本となる薬物治療を続けた。症状が安定したところでかかりつけ医に戻り、現在は治療の経過を見ている。

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