内視鏡を用いて気管支を温め症状を抑える治療法がスタート(※写真はイメージ)
内視鏡を用いて気管支を温め症状を抑える治療法がスタート(※写真はイメージ)

 喘息患者にとって生活の質を落とす大きな要因となる喘息発作。薬でコントロールできない難治性の喘息に対し、内視鏡を用いて気管支を温め症状を抑える治療法がスタート。導入施設は全国に広がっている。

 気管支喘息は、呼吸の通り道である気道に慢性的な炎症が起こり、気道が狭くなる病気だ。ヒューヒュー、ゼーゼーといった呼吸(喘鳴[ぜんめい])や呼吸困難、咳などが主な症状で、わが国の成人の有病率は6%程度。大気汚染の拡大など、さまざまな要因で、世界的に患者数が増加傾向にある。

 治療の基本は薬物治療で、炎症を抑える吸入のステロイド薬を中心に、症状の重症度に応じて長時間作用型の気管支拡張剤(吸入薬や貼付薬)などを用いる。

「その一方で、基本治療の“吸入ステロイド薬+長時間作用型の気管支拡張剤”を十分量用いても喘息がコントロールできず、発作が起こってしまう重症の患者さんも少なくありません。こうした難治例に対し、2015年に内視鏡を用いた『気管支サーモプラスティ治療』が保険適用となりました」

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