
平野清美(ひらの・きよみ)(右)/1965年、埼玉県生まれ。高校時代にホリプロスカウトキャラバンに出場。当初は本名の橋本清美で「レッツゴーヤング」(NHK)などに出演。85年に秋本理央の名で歌手デビューした。中日ファン向けの番組のアシスタント時代に夫と出会い、結婚。現在は東京・西荻窪の自宅で、お花の教室「ヴェルデュール」を開き、空間プロデュースも手掛ける。長男の平野潤也は演劇集団円所属の俳優。(撮影/加藤夏子)
夫は元プロ野球の平野謙さん。妻は元タレントの清美さん。出会ってわずか5カ月で結婚した二人だが、1988年の西武移籍から6年後、人生の岐路に立たされる。
※「きっかけは妻の胃けいれん? 元プロ野球が押した魔法のツボ」よりつづく
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夫:西武をクビになったとき、解説者としてNHKから誘っていただいた。
妻:光栄なお話だった。
夫:だけど、そのあとロッテから現役の話が来て、もう少しやりたい、とお伝えしたら「わかりました。1年待ちます」と。1年たったらもう一回、今度は条件提示までしてくれて。
妻:彼から「どうしよう?」って電話が掛かってきたんです。どうしよう、って言ってるのは野球を続けたいからで、「やりたいならやればいいじゃない」と。
夫:俺は生活の不安がものすごくあったけど……。
妻:私はなかった(笑)。後悔してほしくなかった。
夫:そうだよな。
妻:家族のためにとは思ってほしくなかった。
夫:ただ、俺をずっと推してくれてたディレクターは職場が変わっちゃって、申し訳なかった……。