NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の井伊直政役や映画祭で主演男優賞を総なめにし、脚光を浴びている俳優の菅田将暉(24)。その実父で経営コンサルタントの菅生新(すごう あらた)氏が人気俳優を生んだ家族の姿をつづった『スゴー家の人々~自叙伝的 子育て奮戦記~』(トランスワールドジャパン)をこのほど発売した。菅生氏が本誌のインタビューに答え、菅田将暉への教育方針などを赤裸々に語った。
――菅生さんは長男の大将(菅田将暉の本名)さんを、父親として自宅出産でとり上げたそうですね。
ほんとは助産師さんにやってもらうつもりだったんですが、妻が破水しそうになったのは午前5時。助産師さんがいなかったんです。怖くてビクビクしていました。正直、ちゃんと病院へ行ったほうがいいのではないかと慌てた。
――どうなったんですか。
1時間半後、うっ血して紫色の顔をした赤ん坊がぬるりと出てきた。その瞬間、エーもう死んでるんじゃないかと思った。次に、あじさい色のレバーのような塊の胎盤がへその緒と一緒にドーッと出てきた。へその緒は家庭用のハサミで切りました。
――切るとき、どんなだったのでしょうか。
へその緒は直径1センチくらいあるかも。きれいな透明感があって白っぽかった。それでも、けっこう分厚くて硬い。母親のおへそとへその緒がつながっているわけではないんです。切っておいておいたら、そのままポロッと取れました。
――菅田さんは3人きょうだい。次男、三男も自宅出産だったそうですね。
次第に慣れていきました。胎児は自分から蹴って母親の体内から出てくるんですよ。私は支えただけ。次男のへその緒は長男と一緒に結婚式でのケーキ入刀みたいに切りました。
――菅田さんは11月28日、「第42回報知映画賞」で、「あゝ、荒野」「キセキ―あの日のソビト―」「帝一の國」「火花」の4作品の演技が評価され、主演男優賞を受賞しました。12月5日の「日刊スポーツ映画大賞」でも「あゝ、荒野」で主演男優賞に選ばれました。年末の映画賞を総なめにできたのは、自宅出産の好影響が出たのでしょうか。
子どもの成長に好影響というよりも、子どもをみずから取り上げたということで、父親としての愛情の熱量が違ってくるとは思います。病院の分娩室の窓の向こう側から見ているのとでは違いますからね。大将も「お父さんがいたことはぼわっと覚えている」と、言ってました。
――この本をきっかけに自宅出産が注目され、ブームがやってくる?
いやいや、オススメはしません。自宅出産は素晴らしいとは思いますが、私も最初はギリギリの気持ちでしたから。でも、考えてみれば、昔は近所の産婆さんっていました。それを考えればどうってことない。