


「クイズダービー」で人気を博したフランス文学者で学習院大学名誉教授の篠沢秀夫さんが今年10月に他界。同番組で共演した竹下景子さんが、東京・文京区の護国寺で執り行われた葬儀で追悼のコメントを寄せていた。
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篠沢先生
「クイズダービー」では10年あまりご一緒させて頂きました。愉しかったァ。
先生の、迷う方の、迷回答ぶりは他の誰にも真似できないくらいユニークでした。
長山藍子さんを「マドンナ」と命名され、はらたいらさんの正解率の高さを「下品ですね」と一蹴され、ご自身のことは「上品デス」と、そして「愉快、愉快」の言葉で魔法のように私達みなが楽しく嬉しい心持ちになりました。
ALSとの闘いの日々の中でも、近くの公園で「藍子の木」「景子の木」と名付けてお散歩のたびに声をかけてるの、と(夫人の)礼子さんから伺いました。執筆活動にも精力的に取り組まれましたね。2011年、出版記念の会に駆けつけたのが、先生とのお別れになってしまいました。残念です。その後も、患者さんやご家族をご自身が先頭に立って励まし続けていらっしゃるように見えました。お見舞いに伺った私の方が元気づけられるほど、先生の明るさは太陽みたいに暖かでしたっけ。
ダービーの慰安旅行で大いに食べて飲んで笑った帰り道、ほろ酔い気分で先生、私にキスの雨を降らせたの、覚えていらっしゃいますか? 今度はわたしから両手いっぱいの花束のようなキスを送りますね。
どうぞ先生、最愛の礼子夫人とご家族の皆様をお空の上から見守っていらして下さいね。
そしてこれからは、どうぞ安らかにゆっくりお休みくださいませ。ご家族皆様のご健康と平安をお祈り申し上げています。心からの愛と感謝をこめて。ありがとうございました。
(本誌・太田サトル)
※週刊朝日 2017年12月22日号