「皆様に誤解とご迷惑をかけてしまった。お客様に大変失礼なこと。どんな理由であれ人種差別を認めていません。こちらの指導不足を反省しております」
だが、貼り紙を出した理由についてはコメントしなかった。
ポーラ・オルビスHDは、インバウンドや海外の売り上げが拡大していることもあって、ビューティーケア事業が好調。11期連続最高益が予想される中、水を差された形となった。
中国の化粧品市場は急拡大し、17年の市場は約3600億元(約6兆円)になるとみられ、世界最大の米国に並ぶ市場となった。また、中国では日本や韓国の化粧品が非常に人気が高い。ポーラを愛用する30代の中国人女性はこう非難した。
「ポーラは老化抑止とかの商品が中国人女性の間で人気です。それだけに今回の貼り紙は許せない」
中国では今年3月にも、国営放送の特別番組で、現産地を偽装している商品を置いているとして、無印良品が槍玉に挙げられた。すぐに中国のSNS上で拡散し、不買運動を呼びかける投稿もあった。実際には事実誤認だったが、人口が多い国だけに悪い評判がいったん広がると、影響も大きい。ポーラだけでなく、中国相手にビジネスする日本企業は、今後もチャイナリスクに注意する必要がありそうだ。(本誌・大塚淳史)
※週刊朝日 2017年12月15日号