速歩とは、息が切れて話がしにくい程度の速さで歩くこと。自宅暮らしを続けるには、最低5千歩は死守すべきだ。今年から、1日の歩数が8千歩を超えると還付金が出る医療保険(東京海上日動あんしん生命保険とNTTドコモ)が売り出されている。社会をあげて「8千歩」が健康目標となりつつある。

■最後の習慣「家事」
 家事の習慣形成は「片付け」「料理」「掃除」と三つに分かれる。

 まずは「片付け」。老化第2段階になると、手足が上がらず、物の上げ下げ、重い物の持ち運びが難しくなる。緊急度が高いのは「片付け」だ。第1段階のうちに、片付かない!は次のように仕切り直したい。

 最初にすべてのモノに定位置を決める。定位置が確保できないモノは、使わないものから優先的に捨てる。モノは捨ててから買う、買ったら捨てるで、モノを増やさない。これをルール化し習慣づけることで、ゴミ屋敷化を防ぐ。

 次は「料理」だ。

 人は食べるものでできている。栄養のバランスが大切で、偏食になりがちな外食に頼らず、1日朝・夕2食、家で作って食べる。これで老化・生活習慣病を防止する。料理は、外食では不足する野菜中心。日本人が慣れ親しんできた、繰り返しに耐える和食中心が良いだろう。

 最後は「掃除」。

 掃除は家庭内体育へ仕切り直す。結構な運動量に匹敵するのは、床拭き、モップ・掃除機かけ、風呂掃除、庭の草むしり、家具の移動など。敬遠しがちな掃除の部類だが、ウォーキングなどの運動と組み合わせることで、身体機能を第2段階に踏みとどまらせる。いずれ第3段階に入り、外出できなくなったとき、掃除の習慣が、体力、生活の質の維持の最後の砦となる。

週刊朝日  2017年11月24日号より抜粋

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