とはいえ、清宮は安田らと異なった“想定外”が魅力で、1年目にいったいどんな状態で過ごすのか見えないところに、ファンの高揚感が生まれるのも確か。
松井氏のドラフト前年の1991年には相撲界が若貴ブームに沸き、翌年にJリーグ開幕が迫っていた。松井氏は当時会見で、
「サッカーや相撲に小さな子供たちの関心が傾きつつあります。その中で僕はその子供たちに夢を与え、球場に直接見に来てもらえるような選手になれるよう頑張ります」
と言ってのけた。
かたや清宮は東京都大会が開かれた神宮球場を観客で埋め尽くし、その外野席に陣取った少年少女たちは、グラブを手にホームランボールを待ち構えた。
野球の競技人口は減り、プロ野球人気も陰りを見せている。清宮の「伸びしろ」が、その行く末を左右すると言ってもいい。(本誌・前田伸也)
※週刊朝日 2017年11月10日号
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