では、どう生き残りを図ればよいか。前出の木村氏は、地方でも特色を打ち出して成果をあげている私大があることを指摘する。
その一つが、共愛学園前橋国際大(前橋市)だ。地元企業と連携し、アジアの現地法人でのインターンシップなど実践的な教育を強化。英教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が3月にまとめた世界大学ランキング日本版で、国際性部門で全国27位だった。短期留学の経験者が学生の15.4%と高いのが特徴だ。最近3年間の収容定員充足率は110%前後を維持する。
松本大(長野県松本市)も100%超えが続く。地元の自治体や企業などと連携して地域密着を徹底しており、総合経営学部と人間健康学部の県内就職率は80%に及ぶ。
こうした輝く大学を、受験生はどう選び出すか。大学のホームページとともにうまく使いたいのが、先に紹介したサイト「大学ポートレート」。様式がまちまちな大学のホームページと違い、国公私立の教育情報を共通して閲覧できる。
私大のなかには、情報公開の意識が乏しかったり、運営に問題を抱えたりする学校もある。
城西大(埼玉県)は9月、前理事長が親族への約4億円の不適切な支出に関与したとの報告書を発表した。西武文理大などを運営する文理佐藤学園(埼玉県)では15年、当時の学園長が海外出張費を私的流用していたことが発覚。学園長は理事長の娘だった。嘉悦大などを運営する嘉悦学園(東京都)でも15年、創設者一族の不正な支出がわかった。