誰もが一度はお世話になったであろう、あの「粉ミルク」。いま大人から熱視線が注がれている。
最初に世に登場したのは、「どうき、息切れ、気つけに」でおなじみの救心製薬が発売した「大人の粉ミルク ヨーグルト風味」。
一方で、赤ちゃん用粉ミルク商品の老舗2社も指をくわえてはいない。2016年秋に森永乳業が「大人のための粉ミルク ミルク生活」を、そして今年9月には雪印ビーンスタークスが「プラチナミルク」(ミルク、抹茶ミルク、ポタージュ味の3種類)を発売した。
「雪印の華やかな宣伝プロモーションのおかげか、テレビの情報番組や、ネットニュースなどで取り上げられ、たちまち話題になったのです」(業界関係者)
なぜいま、大人の粉ミルクなのだろうか。雪印ビーンスタークの広報担当者によれば、ここ数年で50~70代の女性消費者から「粉ミルクを大人が飲んでも大丈夫か」「大人用の粉ミルクは売っていないのか」といった問い合わせが増えてきたのだという。顧客の声を受け、15年秋に開発に着手した。
では、赤ちゃん用と何が違うのだろうか。
雪印ビーンスタークの「プラチナ」シリーズの場合、基本的な成分や栄養素は、母乳の代用品である粉ミルクとそう変わらない。
「ただし、配合のバランスを大人向けに調整しています。まず脂質は控えめです。筋肉やお肌の衰えに悩む消費者に向けて、筋肉を維持強化するアミノ酸の一種であるHMBなどが含まれています」(前出の担当者)
牛乳とも少し違うようで、カルシウムをはじめ、亜鉛や鉄分、ビタミンもより摂取できるようにしているという。
高齢になると食事の量が減り、食が細くなる。
「知らずのうちに、朝や昼の食事を簡単に済ませていたという方もいらっしゃると思います。そうした場合でも、牛乳の代わりにスープに入れたり、青汁と混ぜたりしていただくのもおススメです」(前出の担当者)