「事務職を希望される人が多いですが、高齢者となるとなかなか難しくなる。こだわるより、いろんな仕事に目を向けたほうが成功しやすい」(篠田さん)

 新しく資格を取得するよりは、実務の経験を生かす。60歳を過ぎてから介護福祉士などの資格を取ったとしても、実務経験が短いと企業は採用をちゅうちょする。退職してから再就職するまでの空白期間(ブランク)は、短いほうが好まれる。

 高齢ともなると、健康問題を抱えることは珍しくない。持病があったとしても、体調管理ができていることを企業側に伝える。病気と向き合って薬などでコントロールしている姿勢を見せると、理解を得やすい。

 大事なことは、65歳以降の人生をどのように設計していくかだ。年金などで暮らしに余裕があるのなら、短時間で負担の少ない仕事を選べばいい。

 年齢を重ねるごとに就業は難しくなる。新しい仕事にチャレンジするなら、会社を退職してすぐに始めるのが良さそうだ。

 働く高齢者は、これからさらに増えていく。老後を充実させるためにも、「65歳からのハローワーク」がみんなにとって必要になる。

週刊朝日 2017年8月18-25日号