

65歳以上の5人に1人が働いている時代。仕事の内容も、小売から製造業、福祉関係まで幅広い。仕事を探すならハローワークや情報誌があるが、他にはどんな方法があるだろうか。
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例えば高齢者の仕事紹介に特化しているのがシルバー人材センターだ。
地域社会への貢献などを掲げ、全国の市区町村に約1300団体あり、会員は約72万人。2千~3千円程度の年会費がかかる。企業や自治体、個人から仕事の依頼を受け付けて、会員に紹介する。会員は仕事の対価として、配分金(報酬)を受け取る。
就業は週約20時間、月約10日以内という制限があるため、余裕があるときに軽く働きたい人向けだ。仕事内容は清掃や庭木の剪定、草むしりなど。施設の窓口要員や広報誌の配布、家事や育児、介護の補助などもある。
全国シルバー人材センター事業協会の担当者によると、
「定年後に知識や経験を生かして働きたい人や、地域社会との接点を持ちたい人が入会している。報酬は月平均4万円ほどで、最近はもっと働きたいという会員が増えている」
自宅でゆっくり選べるのがインターネットの求人サービスだ。就職情報会社「マイナビ」のグループ会社マイナビミドルシニアは、40~60代向けのお試し版を、昨年12月から今年7月まで公開した。10月から正式にサービスがスタートする予定だ。
同社の初岡俊之社長は、
「これまでの求人、転職情報サイトは、若年層を対象としたものが多かった。そこで、ミドルシニア層に向けたサービスを開始した」
と狙いを話す。
コンビニなどに置いてある無料の求人誌や、新聞の折り込みチラシも参考になる。求人情報を見てみると、「60代、70代を積極採用」などとしているものが見つかる。
友人や親戚らから、口コミで情報が入ることもあるだろう。紹介があれば、企業側も採用しやすい。
ただ、一度採用されると紹介してくれた関係者に迷惑をかけたくないなどとして、辞めづらくなるリスクはある。
※週刊朝日 2017年8月18-25日号