数字好きとも直接対決は避けたほうが良さそうだ。営業で活躍した外資系企業の元社長は、数字の報告をやたらに求める人は保身のためにやっていると指摘。要求に振り回されず、一歩引いたほうがいいという。
「営業の分野で重要なのは、契約に至る過程でどんな課題があるのか、どう対応すべきか考えること。自分なりの解決策がわかれば、契約数も伸びる。周りに一目置かれれば、数字にうるさかった上司も黙るはずです」
規則好きはうまく取り込めばいい。APIコンサルタンツの小山さんは、規則好きの傾向として、部下からの突き上げを怖がりがちだという。規則やルールを盾にするしか術がないのだ。こうした人には、「規則には規則で返すのが有効」としている。
成功例が、広告会社勤務の30代前半の男性の事例だ。実態に合わないマニュアルを振りかざす上司に、嫌気がさしていた。そこで不満は言わずに、具体的に新しいマニュアルを作成し、提案した。
「提案する前にご機嫌をうかがいながら、信頼関係をつくりました。受け取ってもらえれば、こっちのもの。マニュアル好きだから、新しいものができて喜んでいました」
相手を知れば対策もできる。「これで一安心」と言いたいところだが、みなさん、自分自身がその“バカ”である可能性があることもお忘れなく。
※週刊朝日 2017年7月14日号