魚住りえ(うおずみ・りえ)/1972年、大阪府に生まれ、広島県で育つ。県立高校時代、NHK杯全国高校放送コンテストの朗読部門で3位に選ばれる。慶応義塾大文学部仏文科を卒業後、日本テレビにアナウンサーとして入社。バラエティー番組「所さんの目がテン!」などを担当後、2004年に独立してフリーに。アナウンス、ナレーションなどで幅広く活動するほか、スピーチの講師も務める。近著に『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』(東洋経済新報社)がある。(撮影/関口達朗)
魚住りえ(うおずみ・りえ)/1972年、大阪府に生まれ、広島県で育つ。県立高校時代、NHK杯全国高校放送コンテストの朗読部門で3位に選ばれる。慶応義塾大文学部仏文科を卒業後、日本テレビにアナウンサーとして入社。バラエティー番組「所さんの目がテン!」などを担当後、2004年に独立してフリーに。アナウンス、ナレーションなどで幅広く活動するほか、スピーチの講師も務める。近著に『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』(東洋経済新報社)がある。(撮影/関口達朗)

 2年前に出した著書が評判になり、第2弾の『たった1分で会話が弾み、印象まで良くなる聞く力の教科書』を書いたフリーアナウンサーの魚住りえさん。作家・林真理子さんとの対談で、日本テレビ就職したときのエピソードを話してくれました。

*  *  *

林:日テレをやめたとき、こういうお仕事をなさると決めてたんですか。

魚住:いえ、まったく思ってませんでした。続けてテレビの仕事をしようと思って芸能事務所に入りましたが、40歳になる直前にパッとひらめいたんです。もちろん、テレビの仕事も楽しいし、家にいるときはずっとテレビを見ているくらい大好きな仕事なんですが、もっと近しい方々の役に立つことをしようと思って、独立しました。

林:ご自分でスクールを経営していらっしゃるんですよね。私も通いたいな。生徒さんは何人ぐらいいらっしゃるんですか。

魚住:10人から15人で、週に1回90分、1カ月半ご一緒するんです。楽しいですよ。でも今、とても忙しくて休講していて、希望されている方には本当に申し訳なく思っています。

林 あら、それは残念です。アナウンサーの方の「きちんとしゃべる」という特殊技能を広めるのは、社会的にも意義があることですよね。

魚住:ありがとうございます。私、16歳のときから広島の県立高校の放送部で音声表現を学んで、それを今日までやってきましたので、もう30年ぐらいになります。

林:えっ、30年? 20年じゃなく?

魚住:今、45歳なので。

林:若く見えます。どう見ても30代ですよ。そういえば私たち、同じ化粧品を使っている仲間なんですよね。

魚住:ほんとにお肌がきれいですよね、真理子さん。

林:今、ファンデーションつけてないんです。

魚住:えっ、ファンデーションなし? すごくおきれいです!

林:魚住さんこそほんとにお若いです。30年って信じられない。

魚住:音声表現にこだわり続けて30年です。最初は口下手を直したくて、放送部で顧問の先生に特訓していただいたんです。NHKの通信講座も受けました。自分の声をテープに録って送ると、「ここは助詞が上がりすぎている」とか「のびすぎている」とかご指導をくださるんです。

次のページ