西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)さん。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「週刊朝日休刊で思う」。
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【雑誌】ポイント
(1)週刊朝日が5月で休刊になると聞いて、大変驚いた
(2)私は雑誌に原稿を書くのも取材されるのも、大好き
(3)その雑誌がなくなってしまうのが、とても悲しい
週刊朝日が5月いっぱいで休刊になると聞いて、大変驚きました。
私は現在、雑誌の連載を5誌で担当しています。本誌ほか、月刊誌が2、季刊誌が2です。なかでも「ナイス・エイジングのすすめ」というテーマは気に入って、やりがいを感じていました。
もともと、私は雑誌に原稿を書くのが好きです。原稿用紙がまだ真っ白のときは、どう書こうか迷って心が重たいこともありますが、書き進むに連れてうきうきしてきます。締め切りの直前に郵便であれメールであれ、送り終わった後のときめきは格別です。原稿を受け取った編集者に感謝されるのも気持ちがいいし、活字になった自分の文章を読むのも好きです。
そして何より、読者からの反応がうれしいですね。編集部経由でなく、直接、お手紙をいただくことも少なくありません。
「毎週木曜に週刊朝日で先生にお会いでき、元気をいただいています」(大分市のAさん)、「先生のコラムを読みたいという友人たちのために何枚かコピーをとって渡しています。どなたからも喜ばれています」(新潟市のFさん)といった内容です。ありがたいですね。
さらに、定宿のホテルの従業員さんやいつも乗るタクシーの運転手さんからも「先生の連載記事読みましたよ」と声をかけてもらえます。私の病院のスタッフも、毎週必ず私の連載記事を読んで、廊下で出会うと感想を伝えてくれます。このように、私の周りには週刊朝日を読んでいる人が多かったので、担当の編集者から「週刊朝日、部数が減って大変なんですよ」と聞かされても、ピンと来ませんでした。でも本当に厳しかったんですね。