刑法改正もあって、性犯罪に社会的に注目が集まっているが、対策はまだまだ不十分だと感じている。
「刑罰は重くなるが、被害者の人生が困難になり狂ってしまうことを考えると、殺人罪と同じ刑罰でもいいはずだ。警察や精神科病院の受け入れ態勢も整っていない。被害者はどこに相談すればいいのかもわからない。私も一部の人にやっと打ち明けたのに、否定的な言葉を返された。セカンドレイプは、いろんなところで行われている」
AV女優だった経験は隠そうとは思っていない。著書ではこうつづっている、
<AV女優だった過去自体が、私の心の傷の表れだ。私は心の傷と戦ってきた。いまは心の傷と共存している自分がいる。被害にあったことは恥ずかしいことではない。戦ったことは恥じることでも隠すことでもない>
性犯罪にあって苦しんでいる人に、伝えたいことがある。
「心の症状が現れている真っ最中は、未来のことは考えられない。症状は自分の意思では抑えられないので、死にたいのもわかるが、ただ諦めないで欲しい。私は死ぬのが悔しくて、絶対に諦めたくなかった。少しでも悔しいと思うのなら、生きて欲しい」
(本誌・多田敏男)
※週刊朝日 オンライン限定記事