自民党幹部の一人ですらこう懸念する。
「冷静さを欠き、語気を荒らげ反論する答弁は率直に良くないと思う。ムキに映る発言はかえって、(自ら指示したかのような)印象を与えてしまう」
ポスト安倍に名乗りを上げている石破茂元幹事長はこう苦言を呈した。
「前川氏の発言は意味はある。怪文書や圧力、忖度は事の本質ではなく枝葉末節な議論だ。(読売新聞に)『出会い系バー通い報道』なるものが、なぜ出てくるのかわからない。スキャンダルで事の本質を歪めてはいけない。政府として正式な手続きを踏み、許可したことをきちんと示す必要があるのではないか」
公明党は「とにかく都議選の邪魔だけはしてほしくない」(与党関係者)と突き放す。政府筋は言う。
「官邸は公安警察や、政権寄りのメディアをうまく使ってコントロールしてきた。首相秘書官と某局なんて完全に組んでおり、われわれも知らないようなことが報道されている。首相は国会で加計疑惑を『印象操作』と主張するが、国民から政府が印象操作していると見透かされているのではないか。見誤ると、支持率が下がって命取りになる」(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2017年6月16日号