2017年シーズン限りで現役を引退する意向を明らかにした女子ゴルフの宮里藍プロ(31)が、29日、都内のホテルで引退会見を開いた。
黒い上着に黒いパンツの出で立ちで現れた宮里プロはすがすがしい笑顔で「昨年の夏頃に今季いっぱいで現役を引退するという決意をした」と説明、その理由を「モチベーションの維持が難しくなったのが一番」とした。
この会見を見ていた女子プロゴルファーで解説者の村口史子さんは、「一口で言うと、わかるなぁというのが率直な気持ちです。本人も何度もモチベーションという言葉を口にしていましたが、結果がなかなか出ないという状態が続けば、やはりプロゴルファーとしてもうダメなんじゃないかという気持ちになります」と話す。
アメリカを主戦場として闘ってきた宮里プロは、会見でも「小柄なほうなので、パワーもそんなにない。自分の中でショットの精度と小技で勝負」と語った。
大柄な外国人選手の飛距離に惑わされない、自分のゴルフを追求するためメンタルトレーニングを加えて闘ってきたわけだが、それでも2009年頃を境に、モチベーションの維持が難しくなったと感じたという。
これについて村口さんは、「宮里プロは技術も高いですが、どちらかというと気持ちで戦ってきた選手。そこがついてこないと難しい」と解説する。
「何年か前に国内の大会でラウンドレポーターについたことがありますが、そのときの宮里プロは気持ちが内に入っている様子でした。まじめな選手なので、ゴルフに対して彼女なりに消化できていた部分が、できなくなっているという気持ちが出ていたのかもしれません」
その時期、得意のパターが打てなくなる、“イップス”(精神的な原因の運動障害)という状態になっていたことも、会見では告白した。「ここは乗り越えて終わりたい」という気持ちになったと宮里プロ。
それに対し、村口さんは、「パットの不調について自ら話していたが、そこが最も大きいきっかけかもしれません。彼女の武器の一つはパッティング。それが決まらなくなってしまったことで、もう一度頑張ったけれど、好調な状態がなかなか続かなかったということなのでしょう」と推測する。