引退会見では、最後のあいさつで涙を見せたものの終始、笑顔を見せていた。

「気持ちがラクになった部分もあるのでは。私もそうでしたが、選手って周りから“まだやめるのは早い”“もったいない、まだできる”と言われるのはつらい。それが、友人や家族は決めたことを支持し、自分が幸せだと思う道を行きなさいと言ってくれた。それがあの表情につながっているのではないでしょうか」

 引退発表が「いろいろ考えた末このタイミングになった」(同)について村口さんは、「もしかしたらシーズンを終えてから発表すると考えもあったのかもしれませんが、やはりそこはすっと支援してくれていたスポンサーに配慮したのだと思います。ただ、決断は本人にしかわからないこともあります」。

 宮里プロの勇姿を一目見ようと多くのギャラリーが詰めかければ、それは宮里プロにとっての恩返しになるからだ。

 今後は「具体的に決まっていない。(結婚は)今のところはない」と笑って答えた宮里プロ。拠点も含め少しゆっくりしてから考えるという。そんな宮里プロに、村口さんはエールを送る。

「女子ゴルフ界をずっと牽引(けんいん)してくれてありがとう。お疲れさまと言いたい。ゴルフがすべての幸せではないですし、選択肢はいっぱいありますし、彼女のことだからやりたいことはすぐに見つかるでしょうね。それよりまずは今シーズンベストを尽くして、優勝した姿をファンに見せてほしい」

(本誌・山内リカ)

※週刊朝日オンライン限定記事