外交を政権浮揚の最大の武器にしてきた安倍政権にとって、駐韓大使の一時帰国や昨年末の日ロ首脳会談など最近の外交は失政続き。
「トランプ氏と数回会ったぐらいで信頼関係が築けたと言い切るのは国際常識では甘すぎる」(外交評論家・小山貴氏)
それでも支持率がなかなか下がらない理由について、法政大学の山口二郎教授は「北朝鮮、中国という周りが敵だらけの地政学的環境も首相を利している」と分析する。深刻なのは、内政面で、森友問題、共謀罪法案など後半国会が政局含みの様相を呈している。
首相周辺によると、首相の盟友・麻生太郎副総理が6日、病床に臥す谷垣禎一前幹事長に「大宏池会構想」に理解を求める手紙を渡し、山東派を含めた派閥再編の動きを本格化させたことに対し、「首相はピリピリしている」という。
麻生氏が数の力で来年9月の総裁選に勝利しようという思惑なのは明白で、首相に近い細田派議員はこう不安を隠さない。
「派閥抗争になって宏池会と平成研が組めばわが派は逆転されてしまう。このままでは首相の総裁選3選は絶望的。やっぱり、年末年始に解散を打っておくべきだった……」(本誌・村上新太郎)
※週刊朝日 2017年4月21日号