くればぁ社は、間柴医師の協力を得て、「密閉性をさらに高め、呼吸筋を鍛える効果のあるマスク」(中河原社長)を開発した。現在、羽生選手が愛用するのもこのタイプ。1作目と同様にオーダーメイド制で1枚1万4980円。100回の洗濯が可能とはいえ破格の値段。だが、すでに販売数は10万枚を超えたという。
やはり超高性能マスクの効能に注目し、『マスクつけるだけダイエット』(扶桑社)を出版したのは、呼吸器内科の専門医である、大谷義夫・池袋大谷クリニック院長である。
大谷医師は、感染防止などの目的に医療現場でも使用されてきた高機能マスク「N95」に準じる機能を持つマスクを版元と共同開発。同書の付録につけて、呼吸筋を鍛える健康法を推奨している。大谷医師が言う。
「呼吸するための主な筋肉として横隔膜と外肋間筋。補助的な筋肉として腹直筋や胸鎖乳突筋があります。残念なことに呼吸筋は20代をピークに衰えます。呼吸筋が衰えると、すこしの運動で息苦しくなったり、ウイルスを吐き出す力が弱まるので病気のリスクが高まったりします」
だからこそ、高性能マスクで負荷をかけて呼吸筋を鍛えれば、健康寿命を延ばすことにもつながるのだ。
マスクをつけ、深い呼吸になれば、酸素をより多く取り込むことになる。脂肪が燃焼され、さらに、血行が促進されて内臓機能も活性化。基礎代謝が上がり、より多くのエネルギーを消費するという仕組みだ。
大谷医師は30人の協力を得て、開発したマスクによるダイエット効果を実証。1日8時間以上装着した人には、体重の減少が確認されたという。
「マスクを装着することで自然に間食も減りました。特別な運動をしなくとも、痩せやすい体になるわけです」(大谷医師)
体質改善効果も高そうだ。
「深い呼吸によって、体の隅々まで酸素が行きわたると肩こりや緊張性の頭痛、手足の冷えも改善が期待できます。さらに腹式呼吸に即して横隔膜が大きく動き、腸やリンパが刺激されて便秘の改善やむくみ解消につながります」(同)