全身がリラックスすることで神経伝達物質の「セロトニン」が増加し、うつ病など心のトラブルを遠ざけることにも役立つという。
健康効果が期待できる超高性能マスクだが、残念ながら、普通のマスクで同じ効果を得られるかは不明とのこと。その一方で、超高性能マスクはアスリートのトレーニングにも活用できるようだ。
東海地方のある大学の駅伝部が、呼吸に負荷をかける機能に注目。今年6月から羽生選手が愛用するタイプと同じマスクを装着しての練習を取り入れる予定だという。前出の間柴医師によれば、超高性能マスク内の酸素濃度が15%下がると高地トレーニングと同じ効果が得られるそうだ。
「体が酸素不足になると、ヘモグロビンの生成を促進するホルモンが分泌されます。すると、酸素を体中に運ぶ機能が高まり、持久力がつくのです。実際に、このホルモンを投与してヘモグロビン量の増加を促進する薬がありますが、アスリートはドーピング違反となるので使用できません」
また間柴医師によれば、羽生選手のように気管支が弱い患者には、交感神経を刺激して気管支を広げる薬があるが、アスリートが使えばドーピング違反となるため使用できない。代わる方法として、いま愛用するマスクでPM25レベルの汚染物質の吸収を予防し、呼吸筋を鍛える方法は有効だと見る。
羽生選手のマスク姿からブレークした超高性能マスクの健康法。挑戦してみるのもいいかもしれない。
※週刊朝日 2017年3月24日号