
美人女優と呼ばれる方はいても、菜々緒さんほど美女役が似合う方はいないでしょう。最近ではすっかり悪女役としておなじみ。作家・林真理子さんとの対談では、役柄を楽しんでいる様子が伝わってくるのでした。
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林:菜々緒さんって男性にはもちろん、女性にもすごい人気がありますよね。私、このあいだ「anan」のコラムに菜々緒さんのことを書いたんです。誰もがひれ伏すぐらいの美人なのに、女の子はみんな菜々緒さんのことが大好きだって。
菜々緒:いやいや、私、世間全般に嫌われてると思ってるんで(笑)。
林:そんなことないでしょう。ご自分でも雑誌のインタビューで、「こんなに悪女をやってるのに、なんで嫌われないんでしょうか」と言ってましたよ。
菜々緒:あ、それはありますね。私、もっと嫌われててもおかしくないと思うんです。でも「悪女をやってるからこそ菜々緒は輝いてる」みたいなコメントをいただいたり、悪女役じゃないと残念がられたり。私自身も、自分は悪女役のほうが生き生きしてるんじゃないかと思うんです。自分が輝ける場所を築いてくれたのは、“悪女”という立ち位置ですね。
林:悪女をやらなかったら、いまのこの人気はなかったと?
菜々緒:ここまで注目していただけることはなかったでしょうね。
林:「A LIFE」では、病院の顧問弁護士で、副院長(浅野忠信)の愛人という役ですけど、いままで弁護士役ってありました?
菜々緒:初めてです。私の年齢で顧問弁護士はなかなかいないと聞いていて、それぐらい才能のある女性の役なんです。すごい爆弾を持っていたりするんですよ。
林:爆弾を持ってる!
菜々緒:はい。これからけっこう暴れて、病院全体を危機に陥らせていきます(笑)。
林:おもしろそう。ああいう男性の愛人って、昔はだいたい水商売の女性ってことになっていたのが、いまは知的なキャリアウーマンなんですよね。愛人も頭がよくなきゃダメという感じで、世の中変わったなと思いますよ。このドラマ、キャストには主役級の方が勢ぞろいして、ものすごい豪華ですよね。