放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、名実共に「美のカリスマ」と言える君島十和子さんが開発に携わった「FTC ザ ホワイトニング ハンドセラム PW」(SPF25 PA+++)について。
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女性誌やテレビの通販番組などを中心に「美のカリスマ」と呼ばれている方は大勢いらっしゃる。
シーズンごとに発売される各社の化粧品を全て試していて、もちろん、効果や成分について、新ワードを入れながらスラスラ説明してくれる方々。あまりにもくわしすぎるので、「美容ジャーナリスト」や「美容研究家」というよりは、「美容オタク」に近い(←褒めてます)印象さえある。
そうした皆さんに、いわゆるゴージャス美人が多いかというと、「そういうワケでもない」のは、部外者が長年不思議に思っていることだという。
コスメの数や情報が多すぎて、発表会に出向いたり、取材をしたりするのが忙しくて、日々を優雅に過ごせないからか。自分に合わないモノも試さなければならないことが心身共にストレスになるからなのだろうか。
あまりにも多くのダイエットを試したが大した結果がなく、それなのに「ダイエットのカリスマ」と私が呼ばれることに似ているのかもしれない(苦笑)。
だが、この方だけは名実共に「美のカリスマ」と言えよう。君島十和子さんだ。
20代の頃はフェラガモのヴァラと呼ばれる靴のコレクターで「日本のイメルダ」とも呼ばれた彼女は、その後「キミジマ」にお嫁入りし、いまはご主人の誉幸氏と二人三脚でコスメの開発・販売に携わっている。
ブランド名は「フェリーチェトワコ コスメ」から「FTC」に。いまやアラフィフという十和子さん自らが加齢による肌のお悩みを解決するべく、商品開発に勤(いそ)しんでいるところがここの強みだ。
昨年7月に発売された「FTC ザ ホワイトニング ハンドセラム PW」(SPF25 PA+++)は、美白とUVカットが1本でできる薬用美白ハンドセラムだ。「手はもっとも年齢が出やすいパーツ。顔と同等のUVケアがマスト」と説く十和子さんはもちろん、シミなしで“手タレ”のようなのである。
お子さんがまだ小さかった頃、「エステサロンに行けるなんて月に1度あるかないか」と女性誌のインタビューで語っておられたのを読んで驚いた記憶がある。つまり、“バリキャリ”でありながら、母であり妻でもある多忙な十和子さんのポリシーは“時短美容”。1本2役のハンドセラムも、そうした理由なのだろう。
「顔と違ってメイクで取り繕えず、皮膚が薄く皮脂が少ないパーツが手元」「美は細部に宿ります」「末端の美しさは女性の品格を高めてくれます」と十和子さん。名実共に「美のカリスマ」の説得力はハンパない。
※週刊朝日 2017年3月3日号