プロゴルファーの丸山茂樹氏が、ゴルフ界の“今年最初の期待”について語る。

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 週刊朝日の読者のみなさま、あけましておめでとうございます。今年も仕事やスポーツ、勉強の目標に向かって、しっかり前進していきたいですね!

 僕が子どものころは、正月も関係なく練習場で打ってました。「打ち納め」「打ち始め」って、一応は言うんですけど、それが12月31日、1月1日ですからね。元日の午前中は、家族とおせち料理を食べたりして過ごして、いつも夕方前ぐらいから練習場に行ってました。父親に連れられてね。

 行くと、必ずゴルフ仲間が集まって来てますから。まあ、大みそかも会ってるんですけどね。いわゆる寝正月みたいなのは経験ないですね。病気災害以外は365日練習を休んだことなかったです。

 2017年も去年と同じで、いまの自分にできることをやっていくだけですね。残念ながら、シードを持って試合に出てる立場じゃないですから。試合の解説や講演とか、いろんなお仕事をさせてもらいながら、あとは左手親指の新しい治療法を探すことですね。20年東京オリンピックのゴルフのヘッドコーチという立場もあるんですけど、個人戦から団体戦に変更するなんて動きは、個人的には、今年は出てこないんじゃないかと考えてます。相当な話し合いを重ねていかないと、簡単にどうなる話でもないと思いますね。

 
 継続し、さらに大きくしていきたいのはジュニアゴルファーを支える取り組みですね。去年の12月23日に東京で開いた「丸山茂樹ジュニアファンデーション Xmas Golf for Kids Supported by SUBARU」も、30人の小学生が参加してくれて、おかげさまで大盛況でした。

 宮里聖志(きよし)(39)と渡邉彩香(23)の両プロが参加してくれました。憧れの選手を目の前にするってのは、子どもたちにとって非常にいいことだと思うんです。まあ聖志は、子どもたちにとって、「藍ちゃんのお兄ちゃん」って認識だったみたいですけどね。ハハハ。

 僕が最初にプロの方と触れあったのは東聡さん(56)でした。次は金谷多一郎さん(57)です。小学6年のときに東日本ジュニア選手権小学生の部に出たら、日大時代の金谷さんが僕の組の引率役をしてくれて。日大のすごい人だ、って覚えてたら、すぐあとにプロになられて。「ああ、あのときの人がプロになったんだ」って感動がありました。のちに話したら、先輩も当時のことを覚えてくださってて、うれしかったな。トッププロと初めてラウンドさせてもらったのは倉本昌弘さん(61)ですね。高校生のとき、ナショナルチームの合宿でした。そういう経験が、ゴルフに対するモチベーションになっていくんです。

 日本のゴルフファンのみなさんにとって、今年最初の大きな期待といえば、「マスターズ」(4月6~9日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGC)で松山英樹(24)がメジャー初勝利をつかむかどうかでしょうね。英樹はもともとメジャーの中でもマスターズで好成績を残してきてますし、もはやどこのゴルフ場でも対応できるだけの能力はあると思いますから、十分にチャンスはあると思ってますよ。

週刊朝日 2017年1月20日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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