銀座吉兆の「鯛茶漬け」/吉兆創業以来のメニューだという鯛茶漬け。全国から、その時期もっともおいしい鯛を取り寄せ、濃厚な白ゴマクリーム、醤油、煮切りを合わせたタレにつける。茶漬けのお茶は、香ばしい煎茶に塩味をつけたもの。鯛茶漬け1人前5000円(税・サ別) (撮影/倉田貴志)
銀座吉兆の「鯛茶漬け」/吉兆創業以来のメニューだという鯛茶漬け。全国から、その時期もっともおいしい鯛を取り寄せ、濃厚な白ゴマクリーム、醤油、煮切りを合わせたタレにつける。茶漬けのお茶は、香ばしい煎茶に塩味をつけたもの。鯛茶漬け1人前5000円(税・サ別) (撮影/倉田貴志)
銀座吉兆/東京都中央区銀座2−6−12 大倉本館4F/営業11:30~14:00L.O.、17:30~21:00L.O.)/定休:月(祝日の場合は翌日) (写真:吉兆提供)
銀座吉兆/東京都中央区銀座2−6−12 大倉本館4F/営業11:30~14:00L.O.、17:30~21:00L.O.)/定休:月(祝日の場合は翌日) (写真:吉兆提供)

著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、落語家の春風亭小朝さんが選んだのは、銀座吉兆の「鯛茶漬け」だ。

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 こちらのお店が、かつて「ホテル西洋銀座」の中にあったころから通っています。時にはおもてなしにも使います。特に、相手の好みがわからないときなど、ここにすれば間違いがないので重宝しております。

 いつもは、季節のお椀とローストビーフをいただいたあとに鯛茶漬けを注文します。僕の食べ方はちょっと変わっていて、まずは炊き立てご飯に鯛をすべてのせてしまい、山葵(わさび)をちょっと。それで一膳食べてしまう。次に、おかわりのご飯に海苔と山葵をのせて、初めてお茶の登場。ですから、1膳目が鯛ご飯、2膳目が海苔茶漬けです。以前、黒柳徹子さんが「鯛茶漬けはお茶をかけないほうがおいしい」と力説していて、やってみたらおいしかった。それ以来、この食べ方なんです。

 鯛はぷりぷり、ご飯も海苔も、すべてに艶があり、見ただけで食欲をそそります。一度で二度楽しめるお茶漬けです。お店も移転して新しくきれいになったし、皆さんもぜひ「小朝流」鯛茶漬け、試してみてください。

「銀座吉兆」東京都中央区銀座2-6-12大倉本館4F/営業時間:11:30~14:00L.O.17:30~21:00L.O/定休日:月(祝日の場合は翌日)

週刊朝日  2017年1月6-13日号