流行は繰り返す。2017年は、80年代ブームが来そうなのだ。
「ファッションは今、大胆な色使いや、異質なものを組み合わせるミスマッチ、肩の大きい極端なシルエットなど、明らかに80年代の影響を受けています」
と話すのは、ファッション評論家のドン小西氏だ。この10年ほどはシンプルで個性に乏しい「リアルクローズ」の時代が続いたが、17年は一転、流行に敏感な20代の間で80年代の個性が受けるという。
「リアルタイムで80年代を知らない世代に新鮮に映るのでしょう」
とドン氏。社会の風潮も関係しているとみる。
「不透明な時代だからこそ、無難な守りの姿勢から脱皮したい。その気持ちが服に表れてきます」
食でも、80年代がキーワードだ。渋谷に15年、米国発のファストフード「タコベル」が開店。タコスで知られるメキシカンで、80年代に青春を過ごした人なら記憶にあるかもしれない。バブル後に撤退したが、再上陸だ。
日本企業ではワタミも参入。16年8月に「テクスメクスファクトリー」を渋谷に開店した。平日午後2時すぎで、約120席が満席。7割は女性だという。タコスはソースを含め具が約30種。組み合わせを楽しめる点もインスタグラムの流行とマッチした。
ダイニング事業部の熊木雄泰さんによると、米テキサス州とメキシコを結ぶ鉄道の影響で食文化が融合。米国に深く浸透し「テクスメクス」と呼ばれているという。
「米国の隠れた食文化。潜在的なニーズを感じます」