ペルー料理も欧米を中心にレストランが増え、その波は日本にも及びつつある。食文化に詳しい、キリン食生活文化研究所の太田恵理子所長はこう説明する。
「洗練された外見で、インスタの投稿が増えています。料理は移民の影響を受けているので、各地で受け入れられやすいのでしょう」
メキシコにしてもペルーにしても中南米だ。太田所長は分析する。
「米国とキューバの国交回復やリオ五輪などで、心理的に中南米が近くなりました。さらに欧米や中東でテロが頻発し、観光地としての関心も向き始めた。17年2月にはANAがメキシコ直行便を就航させるなど関係も深まっています」
食事に欠かせないのがお酒。クラフトビールに続くヒットの予感がするのは果実・ハーブ系の蒸留酒「ジン」だ。
流行の発信地は渋谷のカフェ「GOOD MEALS SHOP」。当初はクラフトビールと半々ぐらいの売れ行きだったが、今は圧倒的にジンが多くなったという。客層は主に30~40代の男女。千葉県産生ハーブを使ったオリジナルのジンもあり、自宅で作る客もいるそうだ。
「男性でも体臭や皮脂など汚れを嫌う傾向が強まっています。香りに関心を持ち始める男性も増えました」
と前出の太田所長は背景を推測。さらに指摘する。
「仕事上のストレスが高まっているので、アロマのように、香りを楽しめる点が好まれるのだと思います」
※週刊朝日 2017年1月6-13日号