
世界には、どんな正月料理があるのだろう? 大使館などに問い合わせ、徹底調査してみた。元日に定番料理を食べる国、旧正月やキリスト教の公現祭(1月6日)を祝福する料理など、さまざまな食文化があることが判明。これを食わねば、世界に新年は来ないのだ!
■【台湾】生姜と砂糖のスープに入ったかわいい紅白団子で祝う
旧正月には、見た目にもめでたそうな紅白の団子を用いたスイーツ「圓仔湯(イアタ)」を食べるのが習わし。生姜と砂糖で作ったスープに入っており、食べると体が温まる。
他の料理は地域によって変わる。
「『長年菜(タンンニィツァイ)』は、長生きを祈って食べる野菜料理。季節的に高菜を用いることが多いね。『桂湯圓粥(クエエンタタツォン)』は龍眼というライチに似た果実を必ず入れ、甘く味付けます。これは年長者から食べないといけないとされています」(黄善徹店長)
山珍居 東京都新宿区西新宿4‐4‐16/営業時間:12:00~14:00、17:00〜21:30L.O.(日祝は夜のみ)/定休日:月
■【シンガポール】掛け声とともに全員で野菜と魚介をかき混ぜる
千切り野菜の中央に魚介類をのせる「魚生(ユーシェン)」は、旧正月に必ず食べる料理。これが運ばれると、テーブルを囲んだ全員が立ち上がり「撈起」という掛け声とともに箸で具を高々と持ち上げて落とすような形でかき混ぜる。
「撈起(ローヘイ)」とは、漁師が地引き網を引っ張る時の掛け声。
「千切り野菜は網を意味し、真ん中の魚を取ることで大漁を祈願するという説もあります。網を投げる動作は福を呼び寄せるともいわれますし」(日野渉・統括総料理長)
薬味は胡椒とシナモン。それぞれ「笑いが絶えないように」「物事がスムーズに運ぶように」という意味があるとか。
シンガポール・シーフード・リパブリック銀座 東京都中央区銀座2‐2‐14 マロニエゲート11F/営業時間:11:00~15:00(土日は~16:00)、17:00~22:00L.O./定休日:元日、ビルの休館日