アメリカ心臓協会が推奨する1日の砂糖の最大摂取量は、成人男性37.5グラム(ティースプーン9杯)、成人女性25グラム(同6杯)。これに対し、加糖アイスティー(240ミリリットル)には約25グラム、スポーツ飲料(500ミリリットル)には約20~30グラムもの砂糖が含まれる。
「健康に気を使っているつもりでも、砂糖の最大摂取量は簡単に超えてしまいます。ヘルシーとうたいながら、実は多くの砂糖が含まれている食品は想像以上に巷にあふれています」
砂糖を多く摂取すれば、血糖値が急激に上がる。それを下げるためにインスリンが大量に分泌されるが、このインスリンには過剰な糖分を脂肪として蓄えようとする働きがある。つまり、インスリンが出るほど太りやすくなるのだ。
「果汁100%で砂糖が添加されていなくても、市販のジュースは高糖質で食物繊維が少ないものが多いので、朝一番に飲むには注意が必要。空きっ腹でジュースを飲むと、血糖値が急激に上がり、続けると太りやすい体質になってしまいます」
何種類ものフルーツをミキサーにかけたスムージーも健康的というイメージが強いが、内科学を専門とする山岸昌一教授(久留米大学医学部)は果物に含まれる果糖について注意を促す。
「果糖を摂取しすぎると脂肪肝につながり、メタボにもなる。がんやアルツハイマーなど多くの病気を引き起こす要因にもなります」
農林水産省が掲げる1日の果物摂取量の目安は200グラム。リンゴなら1個、バナナなら2本、みかんなら2個が目安だ。
「果糖は加工食品や清涼飲料水にも含まれる。意識せずに摂取するケースが多いので注意して」(山岸教授)
糖分摂取によって血糖値が上がると一瞬は元気になるが、すぐにストンと落ちるため、だるくて眠い状態になりがち。この状態を回避するためには、卵や魚、豆類などタンパク質が欠かせない。エリカさんは理想の朝食について、こう語る。
「主食は、吸収がゆるやかな玄米がベスト。理想は、玄米に具だくさんの味噌汁、焼き魚、おひたしなどの野菜の和朝食です。パンならライ麦パン、全粒粉パンかグルテンフリーのものを選んで」
朝食の定番であるヨーグルトを食べるときには、ナッツやフルーツ類を一緒に食べると良い。
「ナッツを加えるとタンパク質がとれるのでおすすめ。ジュースにもオリーブ油を少量垂らして飲むと糖分の吸収がゆるやかになります。脂肪燃焼を促す“活動スイッチ”を入れるためにも、バランスの良い朝食をとってほしい」
※週刊朝日 2016年12月2日号