内村:ねえ。僕らのときはほとんどいませんでしたが、いまはお笑いを目指して上京するというのが、ふつうですから。やっぱり「ボキャブラ天国」とか「M-1グランプリ」とかの功績が大きいと思います。

林:そして最後はMCになりたいと……。

内村:どうなんでしょうね、みんなMCになりたいんですかね。

林:なりたいんだと思いますよ。内村さん、今すっごくお忙しいんでしょう? 司会だけでいくつですか。

内村:五つか六つかだと思います。

林:そんなにお忙しいのに、映画監督をなさって。

内村:ハハハハ、好きでやってます。

林:バラエティー番組でヒナ壇に座ってる人たちも、いつかはMCをやりたいと思ってるわけでしょう。でも、内村さん一人で六つもMCやってがっちり固めてたら、若い子たちがその牙城を崩していくの、すごく大変だと思いますよ。

内村:僕が固めてるとは思わないですけど、上がまだ元気なんですよ、たけしさん、タモリさん、さんまさん……。

林:ビッグ3ですね。

内村:鶴瓶師匠や所(ジョージ)さんも、皆さん元気じゃないですか。このピラミッドがまったく変わってないんですよね。

林:20年以上前から変わらないですよね。若い人が出てきても、その壁が越えられない。ピラミッドの上位何人かはずっと変わらないけど、その下の入れ替わりは激しいですよね。

内村:お笑い志望の人が増えたし、すごく競争が大変になってきてますね。僕らのときは少なかったのでラッキーでした。営業先に行くとだいたいダチョウ倶楽部と一緒だったりして、顔ぶれも決まっていましたから。

林:そして今やゆるぎない地位を築かれて。内村さんほどになれば、もう安泰ですよね。

内村:いや、まったくです。いつ売れなくなるかコワいですし、お呼びがかからなくなったら終わりだなと思います。いま、ありがたいことに、お呼びがかかってるからなんとかやれているということですね。

週刊朝日  2016年11月4日号より抜粋

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