「オリジナル曲を持つ高校は、やっぱり吹奏楽の強豪校が多いんです。応援慣れしていて、音やたたずまいに風格がありますね。3年間で生徒は入れ替わるのに、風格は変わらない。受け継がれていくものがあるんでしょうね」

 その一方で、伝統にとらわれずに新しい曲を取り入れるのは愛知代表の東邦。

「吹奏楽部の歴史は古いんですが、演奏するのは多くがプロ野球ロッテの応援歌なんです」

 ロッテの応援歌はプロ野球ファンの間でも「かっこいい」と評判だ。

“新しい曲”といえば、梅津さんは埼玉代表の花咲徳栄にも注目する。

「エースの高橋(昂也)投手はNMB48の山本彩さんの大ファンだそうで、(山本さんがセンターを務めた)『ナギイチ』を応援曲にリクエストしたそうです。高橋君の打席が楽しみです」

 この夏、関心を集めそうな学校として兵庫代表の市立尼崎が挙がる。遠征費がかさむ沖縄代表のために、20年近く友情応援を担当する同校だが、33年ぶりの出場を決めたのだ。

「“市尼”の吹奏楽部は今年も沖縄代表の応援を担当しますよ。もし直接対決になったら部員を半分にして両校を応援するそうです」

週刊朝日  2016年8月19日号より抜粋