無類のゴルフ好きだったという故・大橋巨泉氏。プロゴルファーの丸山茂樹氏は、大橋氏との思い出を振り返りつつ、リオデジャネイロ・オリンピックの報奨制度について語った。
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大橋巨泉さんが今月12日に亡くなられていたことが分かりました。82歳ですか。悲しいです。
ゴルフがめちゃめちゃ好きな人でして、1993年まで「大橋巨泉インビテーション」というトーナメントを開かれてました。僕はプロデビューしたてのとき、ハワイでこの試合に出させてもらいましたね。
その後はパーティーなんかで3、4回お会いしただけですけど、いつも「マルは頑張ってるなあ」なんて褒めてくれて。うれしかったなあ。
いろんな話をしていただきましたけど、ゴルフの細かい技術にはとくに興味を持たれていたので、非常に熱心に語りかけてこられました。お世話になりました。心よりお悔やみ申し上げます。
7月19日にリオデジャネイロ・オリンピックのゴルフ日本代表が正式に発表されました。同時に日本ゴルフ協会(JGA)は日本選手が金メダルを獲得した場合、報奨金1千万円と国内ツアーのシード権10年分を贈ると発表しました。銀メダルだと500万円とシード権5年分、銅だと300万円とシード権3年分です。シード権は本人が指定した年に使えます。
僕がヘッドコーチになった当初に提案したことが、現実になりました。いろんな方が実現のために動いてくださったのが、とてもありがたいです。4年後の東京でも継続されて、選手の励みになったらいいなと思います。このシード権は本人の希望で1年ごとでも複数年連続でも自由に使えますから、特に男子の場合は50歳でシニアになるまでの過程で有効に使ってもらえればいいですね。
話は変わりまして全英オープン(7月14~17日、英北西部トルーンのロイヤルトルーンGC)です。3日目から40歳のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)と46歳のフィル・ミケルソン(米)の一騎打ちになりました。主演2人だけの映画って感じでしたね。ムービングデーも最終日も2人っきり。こんなこともあるんですね。
僕自身、年齢の近い2人のデッドヒートを現地で見させてもらって、改めて彼らの体の強さを思い知らされましたよね。どこか痛いところもあるんでしょうけど、ああやって力の限り戦う姿を見せられるのがうらやましいです。
ヘンリックはイップスを克服して、メジャー初優勝までたどりつきました。ああいう勝ち方ができるのは、暗いトンネルに入っても諦めずに努力したからこそなんだろうなと思いますね。これでヘンリックは全英王者としてオリンピックに出てくるので、楽しみです。
今週末は僕がアンバサダーを務める「ネスレインビテーショナル 日本プロゴルフマッチプレー選手権 レクサス杯」(7月29~31日、北海道・恵庭CC)があります。優勝賞金は破格の1億円。海外挑戦する選手の軍資金にというネスレさんの思いがこもってます。意義深い試合ですので、ぜひご注目を!
※週刊朝日 2016年8月5日号
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