自民・公明の推薦を受け、最有力候補だった増田寛也氏。それがフタをあけてみれば、情勢調査で小池氏にリードされ、崖っぷちに立たされている。増田氏の選対関係者は言う。
「街を歩いても人は寄ってこないし、かといってタレント議員が応援に来ると、逆に増田さんの地味さが際立ってしまう。無党派からの支持が弱くて、茂木(敏充)選対委員長なんて、真っ青。頼みの公明票も期日前投票の動きが鈍い。それで国会議員に、50人、東京で絶対に確実な名簿を出せという指令を出した」
増田氏が2014年6月から告示直前の7月8日まで、東京電力の社外取締役を務めていた経歴も災いしたという。その報酬は「社外取締役6人で、1年間で6200万円」(東電広報)。増田氏個人への報酬額は公開されていないが、取締役会などにはほぼ毎回出席していたことから、年間で1千万円前後とされる。
おまけに、東電の社外取締役でありながら、野村総研顧問の肩書で原発関連の政府委員もしていた。原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地について議論する「放射性廃棄物ワーキンググループ」(WG)では、委員長を務めていた。
「WGが始まって1年もたたないうちに東電の社外取締役に就任することが報道され、委員長が東電役員であることは『利益相反になる』という意見が出ましたが、今でも何もなかったように委員長をしています」(WGの委員)
演説では安倍政権との関係の深さを繰り返し、災害が起きれば「私であればただちに安倍首相に電話する」(増田氏)とアピールする。だが、それにも暗雲が垂れこめている。