「議席は世襲できたとしても、(角栄氏のような)天才ぶりは世襲できない」
有権者からは、冷めた反応も聞こえる。
「時代の流れかな。(直紀氏が国政に)貢献していないという有権者の判断。いなくなっても、問題ないと思います」と新潟県長岡市で働く40代女性は話す。
今回の参院選では直紀氏だけでなく、現職閣僚2人も相次いで落選した。
改選数が2から1に減った福島選挙区では、4選をめざした法務相で自民党の岩城光英氏が議席を得られなかった。岩城氏は「私の力不足。ただ、それだけです」と力なく語った。
過去3回の参院選はいずれも2位当選。今回の選挙戦は「2番目では落選します。何としてもトップに」と訴え続けた。安倍晋三首相、菅義偉官房長官、小泉進次郎衆院議員らが相次いで福島入りしたが、民進党の増子輝彦氏に一歩及ばなかった。
沖縄選挙区でも、沖縄・北方相の島尻安伊子氏が落選。「訴えが浸透せず、大変残念」と述べた。
基地問題を抱える沖縄、原発事故からの復興が問われる福島。政権の抱える重要課題のおひざ元で議席を失った重みを、安倍首相はどう受け止めるのだろうか。(本誌・吉﨑洋夫、牧野めぐみ、永井貴子、上田耕司、太田サトル、小泉耕平、松岡かすみ、秦 正理、鳴澤 大/今西憲之、松元千枝)
※週刊朝日 2016年7月22日号