田中直紀氏 (c)朝日新聞社
田中直紀氏 (c)朝日新聞社
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「結果はしっかりと受け止め、これからは地域の一人として経済活動をしながら地域の発展に努力したい」

 11日午前4時半ごろ、民進党の田中直紀氏が敗戦の弁を述べた。折しも、田中角栄元首相に関する本が相次いで出版されるブームのさなか。約70年前に生まれた「田中王国」の政治家が国政から姿を消した。

 今回の参院選で新潟選挙区の改選数が2から1に減り、直紀氏は選挙区ではなく比例区から立候補。2012年の衆院選で落選した真紀子氏とともに、議席維持をめざした。

「田中直紀の家内でございます。ひとこと、応援の演説をさせて頂きます」

 6月下旬、新潟市中心部での街頭演説で熱弁を振るう真紀子氏の姿があった。角栄氏が果たした日中国交正常化にも触れ、安倍政権下での中国との関係悪化を批判した。

 ただ、地元では、角栄氏に対する評価と、真紀子氏や直紀氏への評価との落差が大きいようだ。

「角さんは人の心と地域の実態をよくつかんで、話をしていた。真紀子さんは派手なことを言って脚光を浴びるだけ。直紀さんは、全く存在感がない」(角栄氏を知るベテラン県議)

 角栄氏の秘書を務めた朝賀昭氏はこう語る。

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