著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、俳優の由実かおるさんが選んだのは「裏路地板前心 吾の角煮と肉じゃが」だ。
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私は食べることが大好き。体が喜ぶものを、好きなだけいただいてます。カロリー計算はしたことがないんですけど、結果的にバランスの良い食事を適量摂(と)っているんでしょうね。10代の頃とスリーサイズは変わらず、半世紀前の(笑)ジーパンを今でもはけます。
体が喜ぶといえば、「吾」の料理。4年前に神楽坂を散策していた時、泉鏡花・北原白秋旧居跡のそばで見つけました。どんな店か中を覗いたら、カウンター越しに話すお客さんと大将の雰囲気がよさそうだったので、入ってみたんです。
素材がいいうえ、手間暇をかけて作っているのがよくわかるものばかり。「こういうのを食べたい」とお願いするとその通りのものを作ってくれますし、優しい味で、母が愛情込めて作ってくれたおかずと重なり、どんどん食べてしまいます。
この店の料理は、「最後の晩餐」には向かないでしょう。ここで食事をするたびに、明日も頑張ろうと前向きな気持ちがわいてくるんですもの(笑)。
東京都新宿区神楽坂2-9 アルファタウン神楽坂B1/営業時間:昼(月~土)11:30~14:00(L.O.)、夜(月~金)18:00~22:30(L.O.)(土祝は21:30[L.O.])/定休日:日(月が祝日の場合、日に営業、月が休み)
※週刊朝日 2016年7月8日号